桜花爛漫の季節 何故、桜はこんなに人の心をとらえるのか
こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。
サクラ、さくら、桜の季節です
桜花爛漫の季節です。桜の美しさ、華やかさについては、古今東西、多くの文人墨客(ぼっかく)が表現していますが、この桜の季節になると、当方はいつも、歌聖といわれた西行法師と、明治の小説家、梶井基次郎を思い出します。
西行法師は、こよなく桜を愛し有名な和歌「ねがわくは、花の下にて春死なん、そのきさらぎのもち月の頃」と詠んでいます。
そして釈迦入滅のその日、「2月16日」、望み通りに亡くなったと言われています。桜花の美しさを死と結びつける西行の和歌、桜には 生と死が共有されるのかもしれませんね。
花が散り青葉が出て、晩秋11月には その葉も全て枯れ落ち、茶褐色の木肌のまま越冬し、春の蕾を待つ桜の木、古色蒼然とした老木にさえ見える茶褐色の枝木が、春になると突然の如く、絢爛(けんらん)豪華な花木に変るのです。
何故、桜はこんなに美しく人の心をとらえるのか…。