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「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

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「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

大切な人や先祖の供養などを想い、私たちは仏前で手を合わせます。

日頃から線香や仏花などを供えるほか、お盆やお彼岸などには僧侶に読経(どっきょう・どくきょう)してもらい、故人や先祖と向き合う家庭もあることでしょう。

しかし、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)が流行してから、自宅に誰かを招くのを控える傾向に。読経のハードルは決して低くないため、家族の誰かが代役を務めるのも大変ですよね。

抱えられた『黒くて丸いもの』の正体


葬儀業界は、コロナウイルスの影響や時代の変化に合わせて柔軟に対応しています。

2021年6月に開催された、葬儀や供養などに関する情報が集まる『第7回エンディング産業展』では現代に合わせた仏具が展示され、多くの人が足を止めていました。

筆者も会場を歩いていると、何やら目を引くものが…。

「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

(金色の座像が、何か抱えてる…?)

大切そうに丸い物体を抱えて座っている姿が、遠目にも目立っていました。


「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

不思議に思って覗き込んでいると、説明のために待機していた株式会社マルエスの所長がスッと寄ってきて、黒い物体のボタンを押します。

すると、黒い物体から何か流れ始めました!

物体の正体は、お経を流してくれる小型スピーカーだったのです!

『道しるべ小型スピーカー 妙意 般若心経』は般若心経のお経3曲のほか、日本の童謡や唱歌11曲を収録。また、SDカードで好きな曲も入れられるため、故人の好みに合わせた曲を流せるのだとか。


曲を流すだけならスマートフォンでもできますが、こちらのデザインのほうが仏壇になじみそうですよね。どこか親しみが感じられる点もポイントが高いです。

所長がいうには、「もとは座像なしで販売していた」とのこと。しっくりくる座像と一緒になると、より目を引くので、この組み合わせは正解だといえそうです!

「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

また、類似の機能のもので、ボタンを押すと読経が流れる台座型プレイヤーとロウソクのセット『読経入 道しるべ』シリーズもありました。

9つの宗派に合ったプレイヤーがあるそうです。



座像と黒いスピーカーのセットより、シンプルなほうがいい人は、こちらのロウソクのセットがピッタリかもしれません。

新しいものを取り入れている寺から一般家庭まで、幅広い場所で需要がありそうです。

所長、追加でバチバチする物を持ってくる

所長がさらに『見てほしい物』として手に取ったのは、スティック状の片手サイズの道具。

中ほどにあるボタンを押すと…。


まるで小型のスタンガン…!

驚いていると、ロウソクや線香などに着火する『USB充電式 プラズマアークライター ミニ』であることを所長が教えてくれました。

ライターなどの火と違って、オイルもガスもいらない放電での着火は風に強いのだそうです。

霊園に祖父母の墓がある筆者は、線香やロウソクの火が風で不安定になる問題に何度も悩まされました。

「なんか丸いの抱えてる」 不思議に思って近付くと、ボタンが押されて?

※写真はイメージ

また自宅の仏壇では、握力が弱いのかライターのボタンを押すのに失敗し、なかなか火が点けられないことも。


チャッカマンを使った際も、久しぶりで火がどこまで伸びるのかが分からず、距離を測れない時までありました…。

心地よくとむらいたいので、その前段階でつまづきたくはないものです。「釣り糸をこれで切ると、材質的に溶けて切り口が丸くなるので釣り人が好んで使っている」という豆知識も所長は教えてくれましたが、何よりも仏壇などで使いたくなりました。

多様化する人々の暮らし。十分に供養をしたくとも、さまざまな理由から別の方法を取らざるを得ない場面もあるでしょう。

「やらないより、少しでも何かしてあげたい」という人たちの想いに寄り添いながら、仏具関係も進化しています。

もちろん昔ながらの形も大切ですが、無理のないよう、変えられるところは新しい風を取り入れてもいいのかもしれません。

お盆やお彼岸の前に、一度仏壇周りの道具を見直してみてはいかがでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

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