遊びながら学ぼう! 親子で巡るアート&建築さんぽ〈池袋編〉 | HugMug
有名建築家が手がけた建物、ユニークな乗り物や公園、歴史を学べるお寺など、子どもの感性を豊かにするアート&建築。美術作家であり建築好きの岡 美里さんに、親子におすすめのアートスポットをお聞きしました。第2回目は、知られざる〈池袋〉をバラエティ豊かにご紹介。親子で文化的さんぽを楽しんでみて♪
教えてくれた人
Instagram(@misato_oka)にて展覧会の告知や【建築探訪】を更新中。私たちが体験しました!
#01 『コニカミノルタ プラネタリウム満天』#02 『豊島区役所・豊島の森』#03電気バス『IKEBUS』#04レストラン『タカセ』#05 『南池袋公園』#06 『雑司ヶ谷 鬼子母神堂』#07駄菓子屋『上川口屋』
池袋アートMAP
アートと建築、歩いて発見
1日の利用者数が約258万人という巨大ターミナル駅・池袋。買い物に映画鑑賞と、とかく便利な街ですが、子連れママ・パパにとって人混みはちょっとしたハードル。
ですが子ども目線で歩いてみると、案外フレンドリーかつファンタジックな街でもあるのです。駅構内の「いけふくろう」を発見したら、東口駅前「フクロウ交番」に驚いてください。あちこちに潜むフクロウを道先案内人に、ゴールの鬼子母神まで歩けば親子で池袋の達人だ!
ART SPOT #01『コニカミノルタプラネタリウム満天
in Sunshine City』
頭上に広がる満天の星空
近年さらなる進化を遂げ、アートメディアに接近するプラネタリウム。星の知識を学ぶだけの場所だと思っている人はもういませんよね!? 特にここ『満天』のスクリーンは段差のない水平型ドームを採用。
引き込まれるストーリーと、アッ! と声を上げそうになる臨場感たっぷりな映像で、しばしの宇宙遊泳を味わいましょう。夏休み期間は、キッズ向けのプログラムも用意されているから予約のうえで訪れて。夜空に興味を持ってくれること請け合いです。
雲シートで寝転びながら満天の星空ウォッチング。とっても楽しそう!
エントランスは暗闇できらきら光る床や星をモチーフにしたライトも。
真っ白でふかふかの雲シート、フルフラットの芝シートは予約必須。
ドーム出口横にギフトショップも。オリジナル商品を手に入れて!
最近夜空を見上げて「あの星、ずっと遠くにあるんだよね!」と娘が話していて、プラネタリウムで観たことがちゃんと身についているんだなと嬉しくなりました。雲をイメージしたクッションに座って鑑賞したのですが、ゆったりくつろぎながら楽しむことができてよかったです。娘は家のようにめちゃくちゃリラックスしていました(笑)。
開館時間:10:00~21:00(土日祝は~22:00)
休館日:ご来館前に上映スケジュールをご確認ください。
TEL:03-3989-3546
料金:上映作品、シートによって異なるプラネタリウム満天 HP
ART SPOT #02『豊島区役所・豊島の森』
荒川水系のビオトープ
隈 研吾設計チームがデザインを監修した豊島区庁舎は、集合住宅や庭園を内包したエコロジカルな建造物。10階の空中庭園『豊島の森』からは、たどって来た池袋の街並みはもちろん、スカイツリーや富士山も見えます。雨水を利用して育つ木々や小川は武蔵野台地の自然を再現しているとか。
メダカやヤゴの観察も楽しめる。『イケバス』の停留所も目の前に。
都会とは思えない気持ちのいいビオトープ。植物や虫を見つけてみて!
池袋の街並みが一望できる展望エリア。
豊島の森の至るところにある植物クイズ。
区役所前でレア(?)な黄色のイケバスを発見!
開園時間:9:00~※閉園時間は季節によって異なる
休館日:年末年始、土日以外の祝日※荒天時は閉園
TEL:03-3981-1111
入園料:無料豊島の森 HP
ART SPOT #03電気バス『IKEBUS』
池袋の新しい足
都内ならどの区でも定着した「コミュニティバス」。
ですが豊島区の『イケバス』は何もかもが規格外。10個の銀色の車輪が音もなく道を滑る様を最初に目撃したときは、目を剥いた。乗ってみると、超カラフルなインテリアに二度びっくり。“この異空間はもしや……”とその場で検索したところ、やはり九州新幹線でお馴染みの水戸岡鋭治氏によるデザイン。屋根の上と停留所のフクロウもお見逃しなく。
真っ赤な停留所が目印。
カラフルな車内に親子でテンションアップ!
車輪がいっぱい!? ユニークなイケバスが到着。
イケバスの上にフクロウを発見!
もっと早く知りたかった! お顔のような外装がキュートだし、鮮やかな内装もお出かけ気分を盛り上げてくれます♪ 海外の観光客の方も多く利用されていました。池袋周辺のスポット巡りには1日乗車券がおすすめ!
1日乗車券:大人¥500、子ども等¥250ルートや時刻表はこちら → IKEBUS HP
ART SPOT #04レストラン『タカセ』
装飾まで味わえるレストラン
駅前でひときわレトロな雰囲気を放つ『タカセ』。1階のパンと洋菓子の店は“池袋の顔”と言ってしまえる有名店ですが、ビルの上階にも落ち着いた「コーヒーラウンジ」や、パフェやあんみつを出す「喫茶店」が。子連れにおすすめなのは3階「レストラン」。自然光が爽やかな広いホールで定番のお子さまランチやオムライスがいただけます。さて、令和生まれのキッズは昭和のノスタルジー・デザインをどう受け止めるかな?
レトロで可愛い看板に注目!
エビフライにハンバーグ、子どもの好きなものが詰まったお子さまランチ(¥950※税込)。
ママは自家製デミソースのオムライス(¥1,200※税込)をオーダー。
1階の洋菓子コーナーにあるマドレーヌやボンセックをお土産にどうぞ。
営業時間:パン・洋菓子コーナー/9:00~21:00、 レストラン/11:00~16:00(L.O15:00)、17:00~21:00(L.O20:00)
定休日:無休
TEL:03-3971-0211(代表)タカセ 池袋本店 HP
ART SPOT #05『南池袋公園』
公園は町のリビング
池袋駅から雑司ヶ谷まで向かう道すがらに位置する公園。入り口にはベビーカーがずらり、たくさんの家族連れがカフェ『ラシーヌ』で手に入れたおいしいワッフルやドリンク片手に思い思いの時間を過ごしています。「キッズテラス」に設置された人造大理石の滑り台はシンプルな形ながら、だからこそ縦横無尽に移動でき、ベビーからキッズまで大人気。公園のあり方ひとつで町への親近感も深まる。
利用時間:8:00~22:00
休園日:年末年始南池袋公園 HP
ART SPOT #06『雑司ヶ谷 鬼子母神堂』
木漏れ日になごむ
池袋駅から一駅。歩くと15分〜20分ほどのところにある『雑司ヶ谷 鬼子母神堂』。子育(こやす)の神がまつられた立派なお堂をお参りしたら、700歳の巨大銀杏にごあいさつ。「あの枝にきっとトトロが住んでるね」と子どもとよく言い合いましたが、実際、何かが宿っていそうな生き生きとした造形をしています。雑司ヶ谷は、お寺と住宅と公園が点在する落ち着いた環境のなかに路面電車が走る、東京のなかでは珍しくほのぼのとしたエリア。
安産・子育の祈願で有名なお堂がどんと構える。
ふたりとも何をお願いしたのかな?
鬼子母神堂内には、立派な木がたくさん! 思わず見上げて「おぉ~!」と歓声。
開堂時間:9:00~17:00※大黒堂は10:30~16:30
閉堂日:無休
TEL:03-3982-8347鬼子母神堂 HP
ART SPOT #07駄菓子『上川口屋』
懐かしさが漂う駄菓子店
娘が5歳のときに「ここ懐かしいね」と言って驚きましたが、実際経験していないことでも懐かしさを感じる心が人には生まれついているようです。実際、鬼子母神堂の境内にひっそりとある木造平屋の佇まいを見ているだけで胸がポカポカに。それは子どもも大人もきっと同じはず。駄菓子の製造工場が年々減り続けるなか、ところ狭しと商品の並ぶ『上川口屋』は東京の宝、もはや存在が奇跡。楊枝に赤い印が出たらアタリ! の“きなこ棒”はマストです。
懐かしい味わいのきなこ棒。
糸引き飴や麩菓子、さくら大根などの駄菓子がところ狭しと並ぶ。
かるめ焼きを棒に刺した“棒かる”。どんな味かな?
目を輝かせながら好きなお菓子を選ぶほのかちゃん。
営業時間:10:00~17:00※都合により時間の変動あり
定休日:雨、雪、台風などの日※臨時休業あり\ ここでちょっと耳ヨリ情報 /
アートさんぽの楽しみかた①正統派から芸術的な珍建築まで
おさんぽしながら発見!
フランク・ロイド・ライト設計の『自由学園 明日館』。
日本のガウディと呼ばれる建築家・梵寿綱による『ルボワ平喜南池袋』。
武蔵塗料の自社ビル。カラフルな外観がインパクト大!
池袋には東京で、いや、日本国内でも指折りの名建築があります。それはフランク・ロイド・ライトが設計した『自由学園 明日館』。HPに告知される見学日には、喫茶付きで名建築が楽しめますからぜひとも親子で訪れて。背筋の伸びる厳かな雰囲気は子どもの美意識にも響くはず。また、武蔵塗料の色をテーマとした虹色の『グリックビル』、日本のガウディと名高い梵寿綱による『ルボワ平喜南池袋』は南池袋公園へ訪れる道すがら見つけてみて。
②池袋の番人、“いけふくろう”を探して!
豊島区役所の屋上『豊島の森』で発見!
東口駅前の交番にも!?
池袋駅の待ち合わせ場所でお馴染みの“いけふくろう”。
鬼子母神堂の入口付近にある『雑司が谷みみずく公園』。
イケバスの停留所に真っ赤なフクロウ!
南池袋公園の時計台にも。
渋谷駅のハチ公や東京駅の銀の鈴のように、池袋にもシンボルを! と発案された駅構内のフクロウ像。イケブクロとフクロウに掛けたダジャレですが、すっかり定着し、また周辺にもフクロウキャラクターが広がっています。雑司ヶ谷の鬼子母神周辺では、ススキでつくられた「すすきみみずく」も。とにかく渋いものからポップなものまでフクロウ科の鳥が無数にアレンジされているから、バードウォッチングし放題です。
遠くまで行かなくても
途中下車で満足時間
いかがでしたか? 池袋に子どもが遊べるところなんてある? なんて思っているファミリーにこそ巡っていただきたい。丸一日かけて池袋ツアーしてもよし、ピンポイントで訪れてもよし。私は池袋と、庶民的な雑司ヶ谷までが徒歩圏内の近さと知ってから、このエリアのことが好きになりました。今回は、リニューアルのため紹介できませんでしたが『西武百貨店』の屋上や、ちんちん電車でお馴染みの『さくらトラム(旧都電荒川線)』もおすすめです。