親子で行く電車さんぽ【東京さくらトラム(都電荒川線)編】 | HugMug
一日フリーパスを使い、親子でローカル線を乗り降りしながら絆を深める電車さんぽ。美術作家であり散歩の達人・岡 美里さんに、親子におすすめのローカル線さんぽのコースをお聞きしました。第1回目は、東京さくらトラム(都電荒川線)をお届け。ホームの甘味処、ミニ動物園、ユニークな遊具のある公園など、電車のみならず沿線の魅力を探ります。始発から終点まで1時間以内の路線なので、乗り物好きはもちろん、そうでない子も楽しめるはず♪ 車窓の景色や車内の雰囲気を楽しみながら気ままに途中下車し、線路沿いをさんぽしてみよう。
教えてくれた人
横顔のポートレイト制作をライフワークとして、日本各地でオーダー会を行う。趣味は散歩と家の物件検索。Instagram(@misato_oka)にて展覧会の告知や【建築探訪】を更新中。私たちが体験しました!
#01『甘味処 いっぷく亭』@庚申塚#02『アスカルゴ』『飛鳥山公園』@飛鳥山 or 王子駅前#03『あらかわ遊園』@荒川遊園地前#04『パンのオオムラ』@三ノ輪橋
東京さくらトラム(都電荒川線)MAP
バスのような電車に乗って
東京には現在51路線もの私鉄が走っています。その中でもいわゆるローカル線と呼ばれる沿線には子育て世帯が多く住み、また鉄道会社による工夫あふれる雰囲気づくりとあいまって親子さんぽにうってつけ。
民家の軒先をすれすれに走る車窓の風景を楽しむもよし、気になるお店や公園を発見したら「えいや!」とノリで下車するもよし。一日乗り放題のチケット(都電一日乗車券)を手に、行きつ戻りつの電車さんぽを楽しもう。「まだ着かないの〜?」なんて言わせないほど小刻みに興味の詰まった都電荒川線の旅へ、いざ!出発。
★前乗り・後降り方式です。乗ったらまずフリーパスを運転手さんに見せよう。
★停留場の手前で「降車ボタン」を押そう。
★トラムは6〜7分間隔で到着します。たくさんの本数が走っているため慌てなくても大丈夫。
ゆったりを心がけて。
LOCAL SPOT #01『甘味処 いっぷく亭』@庚申塚
極上おはぎは毎日握りたて
ガス灯を模した庚申塚停留場のサインを目印に下車。すると目の前に甘味処が!? 初めて車窓から発見したときの衝撃たるや。ともあれ『いっぷく亭』へは下車徒歩3歩で入店できます。三代続く秘伝のレシピ、ほうじ茶で煮た小豆でこしらえたおはぎが本当においしい。おすすめはきな粉と胡麻。焼きそばもあるから都電さんぽのランチにももってこいです。食後、席からレトロな意匠をまとったトラムが行き交うのを眺めていると、居心地よくてつい長っ尻に。
こだわりセット(やきそば&おはぎのセット)¥1,020(税込)
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:火曜(祝日・4の付く日は翌水曜)※臨時休業あり
TEL:03-3949-4574
Instagram:@ippukutei_koshinzuka_sugamo
LOCAL SPOT #02『アスカルゴ』『飛鳥山公園』
@飛鳥山 or 王子駅前
東京一夢ある公園
おとなしい遊具が主流となった昨今のインクルーシブ公園に慣れていると、『飛鳥山公園』のダイナミックで夢あふれる造形遊具に圧倒されるかも。休日ともなれば子どもの歓声があふれる場所。入口はいくつかありますが、お勧めしたいのが『アスカルゴ』ルート。乗車時間わずか2分と日本一短いモノレールに乗り込めば、気分が高揚すること間違いなし。どんどん離れてゆく地上を一緒に眺めながら「がんばって歩いたね!」と褒めてあげましょう。
無料で乗車できるモノレール『アスカルゴ』に乗って、山の上にある公園を目指そう。
等身大と思わしきゾウの滑り台(リアル!)に、あたるくんも大コーフン!
園内には、蒸気機関車のほか都電車両の展示も。
実際に中に入れるのも嬉しい!
園内のところどころにノスタルジックなモチーフが。思わず「ハイ、チーズ!」。
開園時間:アスカルゴは10:00~16:00(強風等悪天候の場合は、運転を中止することがあります)
休園日:アスカルゴは12/29~1/3
★公園のある丘陵はすべて渋沢栄一邸の敷地だった場所。建築に興味がある親子なら「晩香廬」「青淵文庫」も覗いてみて。
★アスカルゴ乗り場へは「王子駅前」が最寄りですが、「飛鳥山」で下車するとトラムと車の並走が見られるよ!
LOCAL SPOT #03『あらかわ遊園』@荒川遊園地前
ミニマル遊園地
23区内唯一の区立遊園地。
小さなお子さんOKな乗り物がほとんどだから、年齢制限に引っかかってがっかり……なんていうこともありません。区立といえども侮るなかれ。ふれあい動物園から釣り堀、ふわふわドーム、廃車両を再利用したカフェなどなんでも揃っています。入場料・乗り物券もかなりリーズナブルだから、この際ママも童心にかえって遊び倒そう。また園の周辺には子ども連れにやさしい店がちらほら。気になる横丁に迷い込んでみるのも楽しそうです。
約30年ぶりの大規模改修を終え、令和4年にリニューアルオープンした『あらかわ遊園』。
都電の車両を利用した『カフェ193』。
アイスキャンディや自家製レモネード、カタカタつりわぱんなどが味わえる。
あたるくんが選んだのは、期間限定のふわふわかき氷クラフトコーラ(¥650)。
ウォーターシューティングライドに大はしゃぎ! 高得点取れた人は最後にウィニングランが。
電車カフェでは、マグカップや手ぬぐい、もなかなど、さまざまな都電グッズを販売。
お決まりの顔はめパネルも記念にパチリ。
開園時間:9:00~17:00(夜間開園日は20:00まで)
休園日:火曜(火曜が祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/1)
TEL:03-3893-6003
LOCAL SPOT #04『パンのオオムラ』@三ノ輪橋
真の下町ここにあり
「下町」というと大抵の人は浅草を思い浮かべるでしょう。が、今や浅草は人であふれかえる一大観光地。だから暮らしが見えるリアル下町に会えるのは東京さくらトラム(都電荒川線)沿線だと思うのです。その中でもアーケード商店街『ジョイフル三の輪』は生きた昭和と言える存在(よく映画ドラマのロケ地として登場。最近だとNetflixドラマ「阿修羅のごとく」)。『パンのオオムラ』はまるでドラマのセットのようなキッチュな看板が目印。明日の朝食分に買って帰ろう。
レトロな『ジョイフル三の輪商店街』。餃子や焼き鳥など今夜の晩ごはんにどうぞ。
『パンのオオムラ』で購入したチョコパン(¥160)が今日のおやつ。
クリームパン、あんぱん¥160、トンカツ¥200など、どれもリーズナブル。
『三ノ輪橋』の停留場に咲きほこるバラと。写真撮影している方もたくさん!
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜
★沿線にはボランティアが丹精込めて手入れするたくさんのバラが植えられています。終点「三ノ輪橋」にも花壇があり。
\東京さくらトラムを巡ってみて……/
都電とはぐくむ人と町
いかがでしたか? 旅の記憶に残るのが、観光名所よりも駅のホームから眺めた何気ない景色……なんてことがあるあなたにこそトライして欲しい。親子で相談しながらローカル線を旅すれば、きっと絆も深まります。かつては東京を縦横無尽に走っていた都電ですが、実は東京さくらトラム(都電荒川線)が最後に残る一本。貴重な文化の灯を絶やさないためにも、地域の人は線路沿いに花を植えるのかもしれません。そうした大きな愛情ごと味わいに、ぜひお出かけください。