センスのいい家族が暮らす家【vol.22.余白を残す家・小山翔平さん、紬さん邸】 | HugMug
大人も子どもも、家族みんなが過ごしやすい家づくりに大切なことってなんだろう? vol.22は、東京都内のヴィンテージマンションに暮らす小山さんの住まいへ。部屋の真ん中にあるカウンターキッチンを軸に、リビング、ダイニング、寝室が仕切りなくゆるやかに続く風通しのいい空間。シンプルな箱の中には、今だけでなく将来の心地よさを見据えた工夫があちこちに。家族3人と猫1匹が心地いい時間を重ねるための、住まいのヒントを探ります。
profile
FAMILY:3人家族(パパ・ママ・長男2歳)
HOUSE TYPE:マンション/リノベーション
HOUSE DETAIL:居住歴1年/78㎡/2LDK
AREA:東京都
こだわりの住まいについて
シンプルで無駄のないインテリア
1年前、都内の住宅街にあるヴィンテージマンションに引っ越した小山さん。ここは、子どもが生まれる前から住んでいた馴染みのあるエリア。
出産を機に住まいの購入を考え、戸建ても視野に入れながら探すうち、ある日散歩をしていてたまたま通りがかった今のマンションの外観にひと目惚れ。偶然にも空きがあり、入居を決めた。
住まいは「nu リノベーション」に依頼してフルリノベーション。元は仕切りの多い3LDKだったところを、家族が同じ空間を共有していられるようにと部屋ごとの境をなくし、ゆるやかな仕切りを設けた風通しのいい空間につくり替えた。「太い柱が部屋の中心にあり、はじめはそこに制約を感じていましたが、ならばこの柱を基点に部屋全体を回遊できるつくりにしようとデザイナーさんに提案していただきました。住み始めて1年、ますます愛着が湧いてきています」(翔平さん)。「部屋の真ん中にあるキッチンが気に入っています。ここに立つと家の中が見渡せて、息子が遊ぶ姿を見ながら料理をする時間が好きです」(紬さん)
LIVING
家族のリラックススペース
リビングは木のフローリングであたたかみのある空間。
配管の都合で、ダイニングより一段床が上がっていて、それが空間をゆるやかに仕切る。窓の外にはマンションの共用スペースである自然豊かな中庭が広がり、四季の変化が楽しめる。「キッズスペースも兼ねたリビングには、最近息子が気に入っているオモチャのキッチンを置いています。遊ぶ様子を眺めながらテレビを観たり、本を読んだり、休日はここでゆっくり過ごしています」(紬さん)
少数精鋭のオモチャだけをリビングに置き、あとは子ども部屋に収納。数が少なければ、散らかっても片付けがラク。オモチャのキッチンは〈IKEA〉で購入。落ち着いたグレーカラーは、インテリアを選ばずに馴染む。
リビングのソファは〈FLAT FURNITURE〉のもので、座面がやわらかすぎずしっかりしているところが好み。
幡ヶ谷のインテリアショップ〈BULLPEN〉で購入。「以前幡ヶ谷に住んでいて、〈BULLPEN〉の世界観が夫婦揃って好きでよく通っていました。そこで迎えた家具が多く、インテリアのベースになっています」(翔平さん)
KITCHEN
テラコッタカラーが挿し色
部屋の中心、大きな柱を囲むようにつくられたキッチンは、テラコッタカラーのタイルがアクセント。マンションの外壁のレンガ色に合わせて、デザイナーが提案したこの色に、夫婦揃ってひと目惚れしたとか。キッチンカウンターの下はすべて戸棚にし、食器や台所道具はここに収納。必要最低限のものしか外には置かず、すっきりした空間を保っている。「部屋の中心にあるスペースなので、ものは出しすぎないように。調理家電もデザインを重視して選んでいます」(翔平さん)
カウンター下にはスライド式の食器棚を。
高さを2段に分けて、取り出しやすく収納。「近所に好みの器屋があり、そこで少しずつ買い揃えています。最近はスリップウェアが好みです」(紬さん)
DINING
食べこぼしも気にならないタイル床に
角部屋の角部分にあたるダイニングスペースは、三角の間取りに対し円形の食卓を置くことで、スペースを有効活用。リビングとは違う撥水性のある床材を敷いているのは、まだ幼いお子さんの食べこぼしの掃除もしやすいという配慮から。「あえてリビングと違う床材にしてもらいましたが、水濡れや食べこぼしの掃除がしやすくて便利です。実用面だけでなく、床材が違うことで、部屋のゆるやかな仕切りにもなっています」(翔平さん)
テーブルは〈D&DEPARTMENT〉、大人用の椅子は〈ハンス・J・ウェグナー〉のYチェア。
子ども用の椅子は〈サイベックス〉のレモチェア。高さが変えられて、年齢を問わず長く使えるデザイン。
壁面の棚は、〈Vistoe〉606 ユニバーサル・シェルビング・システム。この家に越したとき、新たに購入した数少ない家具で、棚板が自由にカスタマイズできる。「同じブランドのテーブル板を取りつければデスクとしても使え、リモートワークもここでできます。長く暮らしていくことを考えると汎用性のある家具がいいと考え、奮発して購入しました。これから暮らしの変化に合わせ、少しずつ部品を買い足し、カスタマイズしていくつもりです」(翔平さん)
CLOSET & KIDS ROOM
暮らしを心地よくする収納に
6畳ほどのスペースをふたつに区切り、ウォークインクローゼットと子ども部屋にあてた。どちらも、あることでより暮らしが心地よくなる収納力を発揮。
不要なものはここに収めることで、リビングやダイニングがすっきり整う。「子ども部屋は息子の寝室兼オモチャの収納スペース。息子は日々ここから好きなオモチャをリビングへ持っていき、遊んでいます。寝室はあえて大人と分けていて、寝かしつけのあとはここで寝かせるように。次第に習慣化し、今はひとりで朝まで眠れるようになりました。大きくなったらいずれ個室としても使えるよう、最低限のスペースを確保しています」(紬さん)
細々したオモチャの収納は〈IKEA〉の引き出し棚に。円柱型で効率的に本がおさまる棚は〈Amazon〉で購入。
家族3人分の洋服がおさまるウォークインクローゼット。
一部を2段にして、スペースを有効活用。「引っ越しの際に服を断捨離して、コンパクトにおさめました。ここに入るだけしか買わないと決め、余分な浪費や買いすぎを防いでいます」(紬さん)
BEDROOM
自由に使える寝室
ダイニングの奥にある寝室は、収納できるすりガラスのドアをつけ、ゆるやかに間仕切り。壁際の収納棚は、アウターなど衣類を収納するクローゼットとして使いつつ、一部をリモートワークのデスクにも活用。余白のあるデザインは、用途が広がる。「予算の都合で収納棚に扉がつけられなかったのですが、だからこそ自由な使い方ができそうだと考えています。今はまだ収納スペースが余っているので、これからどうするか検討中です」(紬さん)
家族の一員、ネコの「こはだちゃん」。息子・創くんのお兄ちゃんであり、住まいの風景に欠かせない存在。
小山さんの住まいに感じたのは、余白。それは子どもが大きくなったときや、働き方が変わったとき、いずれ来る未来に合わせて住まいを更新していくための余白です。今のダイニングがいずれリビングになる日もあれば、ワークスペースになることもあるかもしれない。仕切りのないひと続きの住まいには、今だけでなく10年後の心地よさも確信できるような懐の深さがありました。
「元々は一軒家を希望していましたが、すべてがワンフロアにおさまる見通しのよさや、手入れが行き届きやすい広さも踏まえ、結果的には今の住まいがわが家にちょうどいい選択だったと感じています。持ち物をコンパクトに抑え、住まいだけでなく、自分たち自身にも余白を持つことで、これからも今に合う暮らしを考えながら、柔軟にアップデートしていきたいです」(翔平さん)