2018年7月25日 06:00
月亭方正 落語家転身10年で語る“いじめられ芸人”時代の苦悩
の『高津の富』を聴いて、衝撃を受けたんです。『これや、自分が求めていたのは!』と思って、もう夢中でした。ツテを頼って、月亭八方師匠(70)を紹介していただいて。師匠の主催する勉強会の舞台にも出演する許可をもらえたんです。舞台当日までは練習漬けの毎日でした。僕、大人になってから一生懸命に何か打ち込むことができなかったんですよ。子どもならまだしも、いい大人が挫折したときのショックは半端ないですから。でも、このときは本気で落語に打ち込むことができたたんです」
そうして上がった人生初の落語の舞台。
終わった瞬間、観客からは拍手が巻き起こった。
「あのときのことは、今でも忘れられません。もう嬉しくて。僕というより、僕の細胞が喜んでいるというか。それに自分の魂が『お前が探していたのはこれやったんやで!』と教えてくれているような気もしました」
その日の打ち上げで月亭方正の名をもらい、本格的に落語家の道へ。現在は活動10周年を機に『落語は素晴らしい ~噺家10年、根多〈ネタ〉が教えてくれた人生の教え~』(ヨシモトブックス)も出版。50人集めるのがやっとだった観客も、独演会で800席を満席にするほどの人気となっている。
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