2018年8月4日 11:00
増える相続トラブル…まず親に「遺言書」書いてもらうには
「まもなく、お盆。きょうだいや親族一同が、実家に集まるこの時期は、親に遺言書を書いてもらう絶好のチャンスです」
そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。国税庁のデータでは、家庭裁判所への相続関係の相談件数は10年で約2倍に増えている。
「家裁の相続に関する裁判のデータでは、3割が1,000万円以下の財産をめぐる争いです。逆に、5,000万円以上の財産の争いは約2割。つまり、相続では、金額が少ないほどモメることが多い。そこでは嫁やきょうだいの配偶者が口を出し、露骨に金銭を求めたりして骨肉の争いになりがち。残された家族が、平穏に暮らしていくためにも、親が1人になったら遺言書を残してもらうべきです」
とはいえ、まず遺言書を親に書かせるのが至難の業というのが実情だ。
「『遺言書を書いて』と親に詰め寄るのは逆効果。『縁起が悪い』『早く死ねというのか』などと、へそを曲げられるのがオチ。それより、お盆の墓参りのタイミングなどで、『うちのお墓も古くなっちゃったわね。この先、どうする?』とソフトな話題から入っていくのがいいと思います」
500件以上の相続トラブルを扱ってきた大竹夏夫弁護士はこう語る。