菅井きんさん長女語る晩年「死ぬまで女優と思っていました」
この名セリフ誕生について、菅井さんは生前の本誌インタビューで次のように語っていた。
《あの『ムコ殿』の口調は、どう言ったらいいのかと私なりに考えました。わが家のベッドのなかで、どうやったら、意地悪く、憎々しく聞こえるかと、いろいろ声を出して試してみてあれになったわけですけど、なんか妙に反応が大きすぎて。娘の結婚に差しさわりが出ないかと真面目に悩みました。だって「ムコ殿」の来てがないでしょう、こんな意地悪なバアさんがいたら(笑)》(本誌07年1月2日号)
そんな菅井さんの心配をよそに、長女・中子さんはアメリカで知り合った日本人男性と結婚。菅井さんには“リアル・ムコ殿”ができたのだ。菅井さんと、中子さん、そしてムコ殿との同居が始まったのは、22年前の’96年に夫・正之さんが逝去したことがきっかけだったという。
「母は家事をまったくやらない人でしたので、いつか1人暮らしになったら、どうやって生活していくのだろうと、私たちも不安に思ったのです。
そこで、母の住居を三世代で同居できるように改造しました。当時は、母そして伯母、私たち夫婦、私たちの娘2人という構成でした。1階に作った広いリビングルームを母は気に入っていて、最近ではリビングルームでひ孫たちが走り回る姿を見て、目を細めていましたね」