デヴィ夫人が初めて語る津川雅彦さんとの“世紀の恋”の真相
私が津川雅彦さんの訃報に接したのは、ジャカルタ滞在中のことでした。パーティに出席するための身づくろいをしていたとき、手伝ってくれたヘアメイクの女性が教えてくれたのです。私はとっさに思いました。“ああ、雪路さんがお迎えに来たんだわ”と……。
振り返ってみれば、私とご夫妻とは不思議なご縁で結ばれていました。朝丘雪路さんとは半世紀以上も親友としてお付き合いをしていました。そして津川さんとお付き合いしたのは2カ月という短い期間でしたが、結婚についても考えたことがありました。
“恋多き女”とも呼ばれていた私ですが、津川さんは私が本気で好きになった、ただ1人の日本人男性だったのです……。
8月4日、俳優・津川雅彦さんが東京都内の病院で逝去した。享年78。朝丘雪路さん(享年84)の逝去からわずか3カ月、まるで愛妻を追うような旅立ちだった。
津川さんとお会いしたのは50年も昔のことなのに、まるで昨日のことのように覚えています。’69年5月に故・田宮二郎さんと故・岡田眞澄さんが、私を励ますパーティを六本木で開いてくださったのです。津川さんは、そのパーティの出席者の1人でした。
津川さんとあいさつを交わし、少しお話ししただけで、私の胸は高鳴りました。