父・奥田瑛二が女優・安藤サクラを鍛えた「『夕鶴』特訓」
映画『万引き家族』で演技が世界的に評価された女優・安藤サクラさん(32)が、ついに連続ドラマ小説『まんぷく』(NHK)に主演として登場した。朝ドラ99作目にして、初めて育児をしながら撮影に挑むヒロインとなった、サクラさん。インスタントラーメンを生み出した夫婦の物語を、明るく逞しく演じている。
「サクラが3~4歳のころ、彼女を見ていて、確信したの。ああ、この子は女優になるって」
こう語るのは、サクラさんの母でエッセイストの安藤和津さん(70)。その直感は鋭かったが、シャイなサクラさんがその思いを口にすることはなかった。
サクラさん誕生のころ、俳優で映画監督の父・奥田瑛二さん(68)は、大ヒットドラマの常連だった。しかし、そんな父の背中を見るまでもなく、サクラさんは生まれながらに、自分の道を一直線に見定めていた感がある。
サクラさんは5歳で、父の舞台を見て、指をさしてこう言ったのだ。
「ちゃくちゃん(サクラちゃん)あれになる!」
奥田さんの思いは複雑だった。
「あちゃ~と思った。女優にはならないでくれ。お願いだからって」(奥田さん)
奥田さんは、自分のつらい下積み時代の経験から、娘たちを女優にだけはしたくなかったのだ。