2018年10月25日 16:00
寝たきり母を介護し「うつ」状態に…安藤和津支えた家族の奮闘
「施設や病院か、在宅介護のどちらを望むか聞くと、みんな『絶対、ウチ!』と即答してくれた。夫は『在宅介護には費用がかかるけれど、僕たち夫婦が頑張って仕事すれば、なんとかなるよ!』って。うれしかった、心強かった……」
そう振り返る安藤さんの目が、みるみる潤んでいく。実際、奥田さんは献身的に介護に参加。トイレで母の血圧が急に上がって倒れこんでしまったとき、ちょうど帰宅した彼は、義理の母をおんぶして寝室まで運んだのだという。
「夫は62キロでしたが、74キロもあった母をおんぶして、汚物まみれの母のお尻を素手で抱えて、洗浄までしてくれた。娘たちもおむつ替えを手伝ってくれたし、血ではなく心のつながりで『ひとつの家族になったんだ』と実感しました」
家族の愛に包まれながらも、安藤さんは母の介護に、仕事以外のほとんどの時間を費やしていくようになる。
夜は夜で15分おきに「かづさ~ん」と呼ばれ、「1日わずか2時間」と睡眠不足でフラフラになりつつ、泣きながら明け方まで付き添うことに。
しかし過労から、ドクターストップがかかり「24時間体制のヘルパー」にお願いするしかなくなった。
ところが母がヘルパーのミスで転倒して1カ月入院。