くらし情報『影絵作家・藤城清治さん「作品は美智子さまの部屋に飾られて」』

影絵作家・藤城清治さん「作品は美智子さまの部屋に飾られて」

妻となる千代さんは、会社の同僚だった。

「僕の1年後に入社してきた宣伝部長の秘書でした。最初は気取ってるなと思ったけど、話すとすごく自然体で、いいなぁと(笑)」

26歳で、最初の影絵の絵本『ぶどう酒びんのふしぎな旅』を花森さんの後押しもあり、出版。2年後には、銀座の交詢社ビルで人形劇『雪の女王』を上演。ちなみに今も藤城さんと親交がある黒柳徹子さんは、この作品を見たことがきっかけでテレビの世界へ誘われたと、のちに語っている。

藤城さんは着ぐるみの人形劇団「木馬座」を結成後、テレビ番組『木馬座アワー』で、世の子どもたちの人気を独占するのが42歳のとき。いちばんの人気キャラは、もちろんカエルの“ケロヨン”だ。

「武道館をはじめとするショーなどで、ケロヨンの中に入っていたのは、家内なんです。
僕も身内には何でも言えるから、『観客席に飛び降りろ!』なんてね(笑)」

そうしたなか、思いがけない依頼が届く。

「皇太子妃時代から、美智子さまは、僕が『暮しの手帖』やオリジナルカレンダーに掲載していた影絵をご覧になっていたようで、’88年の『つり橋はぼくのハープ』という作品を、ぜひ原画でご覧になりたいとのお申し出がありました。

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