男の子プリキュア登場の背景 込められた多様性という裏テーマ
12月2日に放送された「HUGっと!プリキュア」(テレビ朝日系)に、史上初の“男の子プリキュア”のキュアアンフィニが登場。ネットで大きな反響を呼んでいる。
「プリキュア」シリーズは04年から続く名作アニメ。15作目となる今回は「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!!」がテーマだ。
キュアアンフィニに変身する若宮アンリは、女の子用の服も着る男の子キャラクター。これまでも「男らしい」振る舞いを強要されると「自分で自分の心に制約をかける。それこそ時間、人生の無駄」と発言していたが、同日に放送された第42話「エールの交換!これが私の応援だ!!」では主人公・キュアエールらの声援を受けて見事、キュアアンフィニに変身した。
さらに変身後、アンリは「アンフィニって、フランス語で『無限』っていう意味なんだ。
その名前に負けないよう、僕はもう一度、なりたい自分を探すよ」とも語った。
「プリキュアは女の子がなるもの」といったイメージが強いなか、ついに男の子プリキュアが登場。そのボーダーを超えた姿に、Twitterでは感動の声が上がっている。
《ネタになりそう(というかネタでやる)なものだと思うけど、アンリの中性的なルックスだったり展開が展開だっただけにただただ驚きと感動が強かった》
《初の男の子プリキュアの名前が無限を意味するアンフィニなのエモエモだな》
《男も女も年齢も種族も関係ない、あらゆる境界線がレスになる。プリキュアって時代とともにテーマと切り口を変えてくるから15周年も楽しい作品を送り続けてられるんだね》
「製作者によると、『HUGっと!プリキュア』には多様性というテーマが隠されているそうです。『こうあるべき』という考えを押し付ける風潮が、放送を開始した15年前に比べると特に多いと感じているためです。『なりたい姿』というのは人によって違うし、性別は関係ない。だから周囲の目を気にしたり価値観に縛られるのではなく、『自分らしさを信じることで、未来はきっと明るくなる』というメッセージを込めているそうです」(テレビ局関係者)
映画やドラマで広がりを見せる性別の多様化が、ついに子ども向けアニメにまで広がった。
今後も、風穴を打ち破る作品が作られるかもしれない。
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