2018年12月14日 16:00
万博とカジノで共倒れ…荻原博子が危惧する「大阪の将来」
「夢よ、もう一度」と願うのはわかる気もしますが、時代は変わっています。
高度経済成長期の真っただ中で、“先進国の仲間入り”を国民全体で喜んだ’70年ごろと違って、今は成長も鈍化し、社会は成熟しています。大阪は約2,800万人の集客を見込んでいますが、何でもインターネットで見られる時代に、実際に足を運ぶ人がどれだけいるのでしょう。誰かがアップしたYouTubeなどを見るだけの人が多いのではないかと思います。
東京五輪後に大不況が来ると予測する識者はたくさんいます。私もそう思います。東京五輪が終わったら、経済は急速に冷え込み、働く人の給料が下がり、リストラの嵐が吹き荒れるかもしれません。ひょっとすると、’25年万博どころではないことも考えられます。
国は、東京五輪後の経済の落ち込みを予見して、万博という“カンフル剤”で荒療治するつもりなのだと思います。
しかし、万博で莫大なお金を使った大阪は借金にあえぎ、税金の引き上げや公共サービスの悪化を引き起こしかねません。立ち上がるまで長い年月が必要でしょう。もちろん、国の痛手も甚大です。そして、その尻ぬぐいを強いられるのは国民です。