2018年12月15日 06:00
ロバート・キャンベルさん「還暦祝いが突然の結婚パーティに」
市ブロンクス区。’57年9月、キャンベルさんが生まれた町だ。ブロンクスには移民が多い。彼の祖父母もアイルランドからの移民だった。
母は、アメリカ生まれ、法律書専門の出版社で社長秘書として働いていた。父は物心ついたときから、家にいなかった。
「父の不在は、私にとって自然なことでした。ただ、カソリックでは離婚を認めないため、母は離婚ができず、新たな人生を切り開くことができずにいました。
それでも母は絶対に涙を見せなかったし、小さいとき僕はいつも母の味方でした。母と僕は性格が似ていて、愉快と感じる部分が同じ。だから、いつも母が楽しくなることを望んでいました」
13歳のときだった。サマーキャンプから帰ってきた彼に、母は突然、こう言った。
「ロビー、話があるの。会社の同僚のロニーと結婚しようと思うの」
初対面の継父は、ワイルドな人だった。
「アイルランド系は、貧しくても身だしなみにはうるさいものですが、ユダヤ系ということもあって、彼は自由人。カーキ色のつなぎとカットソーというスタイル。
ひげを生やしていて、ゲバラみたいで、すごく明るくて」
彼は弁護士資格を持っていて、母が勤める出版社で、法律関係の書籍の編集者をしていた。