2018年12月17日 06:00
樹木希林さん「生きていたらね…」共演者明かす最後の芝居
でもお部屋へ戻るのも一歩一歩ゆっくりと歩かれていました」(入月・以下同)
撮影現場も、出演者やスタッフが宿泊したのも、神奈川県にある和風旅館「茅ヶ崎館」だった。
「希林さんは私の祖母で、旅館『茅ヶ崎館』の女将役でした。でも本当に出演していただけるかは、7月ギリギリまでわからなかったんです。その姿を見ながら、『生きていたらね』と、おっしゃった言葉の重みを感じました」
今年の夏は暑さも特に厳しかったが、撮影現場となる旅館の廊下や食堂には冷房はなかったという。
「女将役の希林さんは、常に首にタオルを巻かれていました。旅館の台所のシーンなら汗を拭きながらお芝居できますから」
希林さんとは3日間、一緒にすごした。朝食後に1度だけじっくり会話ができたことも、大切な時間となった。
「朝ごはんを、みんなでご一緒したあと1時間くらい、ざっくばらんな話をしてくださって。
誰かが、うちのドイツ人の夫のことを『絢ちゃんは、旦那がカッコよくていいわね』と言ったとき。普通なら謙遜するところを、つい『はい。夫のこと大好きです』と返した私に、希林さんが『あら~いいわね~』と、ふわ~っと柔らかな笑顔で言ってくださったんです」