2018年12月26日 11:00
住職兼医師が教える「日常のなかの瞑想で脳の疲労を癒せる」
「スマホやSNSの普及により、この10年間で情報量は千倍近くになっているといわれています。こんなに情報過多だと、脳が情報を処理しきれずに、疲弊してしまいます。私のもとにも、原因不明の疲労や体調不良で来られる方が急増していますが、脳疲労が原因と思われる方が非常に多いです」
こう話すのは、臨済宗建長寺派林香寺の住職で精神科・心療内科医でもある川野泰周先生だ。
私たちは、起きている半分くらいの時間を、「マインドワンダリング(=心ここにあらず)」という状態で過ごしているのだという。これは、テレビやスマホを見ながら食事をする、歩きスマホをするなど、複数のことを同時にするときに起こる状態だ。
「マインドワンダリングのとき、私たちの脳の状態はDMN(デフォルトモードネットワーク)といって、目の前の物事以外にも注意力を使っている状態なのです。このDMNによって、私たちは脳のエネルギーのなんと6割以上を消費しているともいわれます」(川野先生・以下同)
つまり、1日の大半は脳のエネルギーをダダ漏れ状態にしているようなもの。これでは、脳が疲労してしまうのも無理はない。
脳疲労は日常業務にも影響するが、慢性的に蓄積すると、自律神経失調症、うつ病などの疾患にもつながる可能性も指摘されている。