2019年1月2日 06:00
美輪明宏さん「いいものは色あせない…日本の美意識は誇れるもの」
(撮影:御堂義乘)
毎年恒例、年末年始の人気企画、麗人・美輪明宏さん(83)による愛のメッセージ。今回のテーマは「新時代を生き抜く知恵」。来年5月の改元で、日本は新時代へと突入する。「昭和」と「平成」という激動の時代を強く生き抜かれた美輪さんが語る、希望の持てる未来とは--。
最近は、“新しいからいい” 、“古いから悪い”といった風潮がありますよね。
そもそも新しいとか、古いとかを、良しあしの判断基準にしていること自体がおかしい話です。じゃあ、ミロのヴィーナスやモナ・リザの絵は古いからよくないのですか?
そんなことはないわけだし、もし、流行遅れだなんて言ったら笑われますよ。
文明や文化がどんどん進化しても、いいものはいつまでもいいままで残り、色あせないのです。
日本の古きよき時代には、素晴らしい文化がありました。
ファッションにしても、そう。戦前までは自由で、長髪の男性もいたし、ラッパズボンをはいている人もいました。
“モダンボーイ”“モダンガール”なんて言葉もはやりました。そのまま行けば日本は、世界有数の耽美的なおしゃれな国になっていたはずです。
ところが、その後の戦争で軍人たちが、“文化は軟弱である。