美輪明宏さんの愛のメッセージ「“アナログの力”を失わないで」
(撮影:御堂義乘)
毎年恒例、年末年始の人気企画、麗人・美輪明宏さん(83)による愛のメッセージ。今回のテーマは「新時代を生き抜く知恵」。来年5月の改元で、日本は新時代へと突入する。「昭和」と「平成」という激動の時代を強く生き抜かれた美輪さんが語る、希望の持てる未来とは――。
私が常々言っていることですが、ものにはプラスとマイナス、陰と陽、“正負の法則”というものがあります。古いものにも、新しいものにも両面があります。
何かを得れば何かを失う。何かを失えば何かを得られる。
これは真理です。
これからの時代で危惧しているのは、人間がデジタルの方向ばかりに突き進むことです。
誰もが携帯やスマホを持つ時代の中で、知らず知らずのうちに多くの人たちが、SNSを中心とした生活になってきています。
次から次へと新しい情報が飛び交い、自分の中で処理しきれない。でもつながっていないと不安になる……。
今、そういう人たちが蔓延しているのではないでしょうか。そうなると、情緒不安定になる人たちが増える危険性がある。
デジタルに使われる人じゃダメ。
主従関係が、デジタルが王様で、人間のほうが従うようになってはいけない。