市原悦子さんが望んだ「夫とともに並んで樹の下に眠りたい」
「えっちゃんとご主人は、どこにいてもふだんどおり、よそを気にしないご夫婦で、いつも2人でニコニコしていましたね。お互いを『てっちゃん』『えっちゃん』と呼び合って……」
1月12日に心不全で亡くなった女優・市原悦子さん(享年82)と、演出家で’14年に80歳で先立っていた塩見哲さん夫婦をこう振り返るのは、女優の大方斐紗子さん(79)。大方さんは、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に、中村勘九郎演じる主人公・金栗四三の祖母・スマ役で出演中だ。
俳優座養成所の4期後輩にあたる大方さんが、親しみを込めて「えっちゃん」と呼ぶ市原さんと夫・塩見さんについて次のように語る。
「塩見さんはえっちゃんの同期で、当時、俳優座のスタッフでしたが、イメージでいうと“ボロボロのジーンズに上着を着ている人”(笑)。いつも仲よくしていて、その気取らない人格に引かれたのでしょう、’61年に2人は結婚しました」(大方さん)
塩見さんは、女優業に精進する妻を見守ってきた。
’12年1月に市原さんがS字結腸腫瘍手術で入院した際、「病院の指示に従って、食事を全部作って面倒を見ていた」