「両陛下『平和への祈り』を風化させない」…元ひめゆり学徒の決意
私自身も、目の前に転がっている死体をまたいで水をくみに行きました。よけようとして回り道すると、弾が飛んできて当たるかもしれないからです。戦争は、人間を人間でなくします。だから、みなさんは、戦争は絶対ダメ!と言える大人になってください》
この日も、島袋さんの74年前の悲惨な光景が目に浮かぶような語りに、平和学習のため資料館を訪れた宮古島市立下地小学校の児童は、ぐんぐん引き込まれていった。
今年、退位された上皇上皇后両陛下はこれまで内外の戦地を巡り、「平和への祈り」をささげてきた。その中でも沖縄は、強い思い入れを持たれてきた場所のひとつだ。
’75年7月、初訪問の際には、ひめゆりの塔で、過激派がお二人に火炎瓶を投げつけるという“ひめゆりの塔事件”があった。
しかし上皇陛下(当時は皇太子殿下)は、その晩すぐに次のような談話を発表。
「払われた多くの尊い犠牲は、一時の行為や言葉によってあがなえるものではなく(中略)この地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」
このお言葉どおり、お二人は計11度も沖縄を訪問され、この地に寄り添ってこられた。
「両陛下のそのお気持ちだけでもありがたいと思っています。