「両陛下『平和への祈り』を風化させない」…元ひめゆり学徒の決意
この資料館も“平和の砦”としてあり続けなくてはなりません」
そう話す島袋さん――。
開館当初からの職員で、’18年から島袋さんの後を継ぎ、館長に就任した普天間朝佳さん(59)。
上皇上皇后両陛下が、天皇皇后として戦後初めて、沖縄を訪れたときのエピソードを明かしてくれた。
「’93年に上皇上皇后両陛下が、当資料館にお越しくださったとき、美智子さまが、当時館長だった本村つるさん(93)に、こうおっしゃったんです。『陛下は、(ひめゆり学徒隊を引率した教師の)仲宗根政善さんの手記「ひめゆりの塔をめぐる人々の手記」を子どもたちに読ませています。子どもたちにもまた勉強させます。子らが今度来るときには、よろしくお願いします』。そのあと実際に、秋篠宮さまと黒田清子さんは、ご来館されました。
今上天皇は、まだご来館されていませんが、“平和”への思いは、受け継がれているはず」
島袋さんも、こう思いを託す。
「いちばん大切なのは“命”です。この資料館は、それを伝え続ける存在であってほしい。もし、戦争を勝手に起こしてしまう人が出てきたら困るので、そういうことにならないためにも陛下には、いつまでも平和の象徴でいらしてほしい」