安倍政権が選挙後まで隠す「老後2000万円」よりヤバい年金文書
世間をにぎわせている金融庁の“2,000万円報告書”。多くの人が、その内容の厳しさに愕然となったが、じつはこれよりも“ヤバい”文書が隠されているのだ――。
「新しい『財政検証』をなぜ速やかに出さないのか。出てこない限りは、年金制度の安心が保たれているかどうか、判断できません」
金融庁の報告書に端を発した“老後資金2,000万円問題”。6月19日に行われた党首討論では、野党党首が年金問題について、安倍晋三首相を厳しく追及した。
冒頭の言葉は、国民民主党の玉木雄一郎代表が、安倍首相に投げかけたものだ。“年金博士”として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんが、解説する。
「『財政検証』とは、厚生労働省が作成する年金財政の“健康診断”のようなものです。
年金制度が持続できるように、5年に1度、検証し、発表することが法律で定められています。財政検証の結果に従い、将来の年金の支給計画が立てられたり、法改正が行われたりする。まさに、年金制度にとって、もっとも重要な文書なのです」
話題の“2,000万円報告書”は金融庁の作成。年金だけでは不足する老後資金をどう補うべきか、金融を所有する省庁の立場から“ご提案”したものにすぎない。