父から受けた性虐待の、もっとも古い記憶は4歳当時のもの。中学の保健体育の授業で初めて、父から子どもをつくる行為をされていたと知った宮本ゆかりさん(49)。父だけではなく、幼い娘が抵抗できないのを見て見ぬふりをしてきた母の態度が、性虐待が終わった後も宮本さんを苦しめ続けた。家庭の外では言い出しにくい性被害。宮本さんは、ブログで自分の経験をさらけ出しながら、自分と同じ性虐待に苦しむ被害者を救おうと動き始めた――。
「『親が問題なのだから、あなたは何も悪くない。あなたの人生は、あなたのものだから、親に気を使わずに自分の人生を生きてほしい』。親から性虐待を受けて、私のブログに連絡をくれた女子高生のAさんに会って、そんな話をしてきました」
そう話す宮本ゆかりさん。
香川県高松市在住の宮本さんは4歳から中学2年生まで、実父から“性虐待”を受けていた。
自分と同じような被害者を出したくない。そんな思いから、’17年にブログで実名を公表し、自ら受けた性虐待とそのトラウマ(心的外傷)を克服してきた体験を公開。性虐待を受けている被害者から、メールで相談を受けている。
今年3月、この活動が新聞で紹介されると、相談メールが月に20件も寄せられるようになった。