京アニ22歳新入社員が掴みかけた夢 事件前夜に母へ電話報告
献花台には今も多くの人が訪れている。
『京都アニメーション』で起きた放火事件から1週間が経った7月25日、京都府警が犠牲者となった人たちの身元を特定したと報じられた。そんななか、現場となった第1スタジオ近くの献花台で涙を流す男性がいた。広島県で学習塾を経営する岡村浩規さん。被害者のひとりであるA子さんの恩師だ。A子さんは、今年4月に京アニへと入社したばかりの新入社員だったという。夢いっぱいで入社してから、たった3カ月で起こった悲劇だった。
「彼女は中3のとき、うちの塾に通っていました。教えたのはその1年間だけです。しかし高校に入ってからも、勉強でわからないところがあると聞きに来たりしてね。進路の相談に乗ったりもしていたんです。とにかく明るくて、人懐っこい元気な女の子。どこにいってもすぐに友達がたくさんできる、そんな女の子でした」
中学生のころからアニメ業界で働きたいという夢を抱いていたA子さん。だが親の反対もあり、一度は大学進学の道を選んだ。
「夜間の大学で、入学してからはうちの塾でアルバイトをしていたんです。
それで大学2年になったころ、彼女から相談を受けたんです。『先生、やっぱりアニメの世界が諦めきれない。