くらし情報『ジブリで学んだ“宮崎駿のリアル”『なつぞら』スタッフが明かす』

2019年8月16日 06:00

ジブリで学んだ“宮崎駿のリアル”『なつぞら』スタッフが明かす

これは線の美しさや動き方をチェックして、よくないところは描き直し、作品のクオリティを高める仕事だ。以後、数々のジブリ名作アニメに携わり、宮崎さん、高畑さんという巨匠の作品づくりを目のあたりにすることになった。

「宮崎さんは、誰よりも仕事をする。有言実行で、怒ると怖いけど、自分の家の周りのゴミは拾うし、ぜいたくしない。深酒もしない。本当に人として尊敬できます」

宮崎さんは仕事に対して非常に厳しかった。

「アニメーターの勘は、ものの観察から生まれる」

「自分の目で見たもので描け」

宮崎さんの言葉は簡潔に本質をついたものだったが、聞く人にとって理解が及ばないことも多々あったという。たとえば『魔女の宅急便』のとき。
動物の絵が上手な原画マンの絵を見て、宮崎さんが怒りだした。

「俺が言ったのと違うだろう!」

何がどう違うのか、舘野さんにはさっぱりわからない。ところが、その数年後、奈良に社員旅行に行ったときのこと。猿沢池のほとりで、降りてくる鳥を見ていた宮崎さんが、こうつぶやいた。

「おまえ、下手だねぇ。飛び方、間違ってるよ」

そのとき、舘野さんはハタと気づいた。

「本物の鳥に『飛び方下手』って言っていて、ただのリアルじゃダメなんだ。

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