くらし情報『元ジブリアニメーターの女性が『なつぞら』に抜擢された意味』

2019年8月16日 06:00

元ジブリアニメーターの女性が『なつぞら』に抜擢された意味

個人外注は動画の仕事だったが、続けるうちに欲も出てきた。

「もっと勉強しないとダメだ」と、つてをたどって、大塚康生さんに会い、テレコム・アニメーションフィルムの入社試験を受けた。大塚さんは東映動画時代、宮崎さんを育てた人だ。入社試験の面接官は大塚さん、高畑勲さん、宮崎さんと、そうそうたるメンバーだ。

テレコムには入社できたが、そこで自分の限界を感じてしまう。

「私には、原画は難しいかなと。テレコムには、絵のうまい人ばかりいます。私は動画をきちんとやることだけで精いっぱいだな、とひしひし感じていました」

舘野さんは23歳になっていた。
次の目標は“一流の動画マン”。動画マンの先輩から、叱られ、直されたりしながら、辛抱強く動画の腕を磨くうち、先輩女性アニメーターから声がかかった。「今度、私、『となりのトトロ』という作品の動画チェックをやるんだけど、補佐やらない?」

’87年、動画をチェックする動画チェッカーとして、スタジオジブリの『トトロ』班に参加。これは線の美しさや動き方をチェックして、よくないところは描き直し、作品のクオリティを高める仕事だ。以後、数々のジブリ名作アニメに携わり、宮崎さん、高畑さんという巨匠の作品づくりを目のあたりにすることになった。

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