2019年8月30日 06:00
海老蔵が海外進出にこだわる理由 亡き團十郎さんの悲願だった
「歌舞伎を世界に広めていくこと、それは亡き團十郎さんの悲願でもありました――」
そう語るのは、成田屋を見続けてきた梨園関係者だ。
「團十郎さんは『このままだと歌舞伎は日本だけの伝統芸能として衰退していくかもしれない』と危惧していました。そのため、早い段階から海外への道を模索していたのです。團十郎さんは04年5月に白血病で倒れましたが、その後も世界中を飛び回ってきました。07年には、フランス芸術文化勲章のコマンドゥール受章も果たしています。09年9月には、親子でのモナコ公演にも挑戦しました。そんな父の姿を見続けてきた海老蔵さんだからこそ、海外での公演に対して並々ならぬ熱意をみせているのです」
実際、海老蔵は海外公演についての具体的なプランも温めているようだ。別の梨園関係者がこう明かす。
「歌舞伎座に足を運ぶ外国人も増えていますが、公演開始から10分ほどで寝てしまう人もまだまだいるといいます。歌舞伎は日本人でもわからないセリフがありますし、外国人だとなおさら難しいのでしょう。そこで、海老蔵さんは『外国人でも楽しめる歌舞伎を作ろう!』と宣言したそうです。中村芝翫さん(53)などの現役世代と連携し、枠にとらわれない“新たな歌舞伎”を作ろうとしているのです。