くらし情報『長野智子、仕事との両立にもがき続けた不妊治療8年』

長野智子、仕事との両立にもがき続けた不妊治療8年

でも、できないなぁくらいで。気持ち的には、まだ、まったく切迫していませんでしたね」

『ザ・スクープ』のキャスターの声がかかったのは、37歳のときだ。子どもがほしい気持ちから、迷いがあった彼女の背中を押したのは、夫だった。

「何のためにNYに来たの?報道をやりたいからじゃないの?」

’00年6月、夫をNYに残して帰国。『ザ・スクープ』に参加する。その1年半後に9.11が勃発。長野さんは、事件の背景にある中東問題を取材するべく、パレスチナへ飛んだ。その後も現場第一主義で取材を続け、経験を積んだ。


一方、結果が出なかったのが、妊娠だ。気がつけば40歳が目前に迫ってきていた。

「NYから帰ってきて、不妊治療に通い始めました。しかし、仕事も忙しかったので、ヘビーな治療は’04年からでした」

計画妊娠、人工授精、体外受精と、治療は徐々にキツくなる。精神的にも追い詰められた。子どもを産める限界が近づいているという焦り、妊娠しないまま生理がなくなる恐怖感。女に生まれたのに、動物としてどうなの?生きている価値があるのかしら――。そんな思いまで湧いてくる。


「自分で追い込みすぎていたかもしれません。

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