赤字経営多いなか全国でわずか3%…黒字公立病院ランキング
そう語るのは大阪急性期・総合医療センターなど5つの病院を統括する大阪府立病院機構の理事長・遠山正彌さんだ。
「公立病院の場合、医療機器は民間病院と比べ、割高な見積もりになることもありますし、たとえ安くても、維持費を高く設定されていることもあります」
ほかにも、経営赤字を招く公立病院ならではの理由があるという。
「公立病院の事務員は役所からの出向です。なので、せっかく病院経営を学んでも、2〜3年で異動になるため、人材が育てにくい。また、医師の給料は成果にかかわらず、年功序列で上がっていくので、医師のモチベーションが低いケースも。かつては、自分の診療科のベッドが埋まると、他科のベッドを調整せずに、入院を断ってしまう医師もいました」
そこで、遠山さんはまず“患者ファースト”の精神を徹底した。
「医師の個人的な都合が反映されないよう、すべてのベッドを管理する担当者を立てました。また、救急は基本的に断らず、国際がんセンターでは、紹介状なしの駆け込みでも受診できるようにしています」
まず患者の信頼を回復。
コスト意識を持たせ、5つの病院で130億円あった赤字は、約半分まで減ったという。