2019年11月28日 06:00
30坪でも1500万円ほどが…老朽化した実家は建て替えるべき?
久しぶりの実家。ふと壁を見ると、前に帰ったときには、なかった気がする大きなヒビが……。両親は口をそろえて「このまま住み続けたい」って言うけどーー。
「人生100年時代といわれ、平均余命が延びる一方、これからの生活への不安から、余計な出費をしたくないと不便な一軒家に住み続けている高齢者が増えています」
そう語るのは、高齢者住環境研究所の溝口恵二郎さん。総務省の調査では、75歳以上世帯の約80%が自宅を所有している。災害が多かった今年、猛烈な台風やたびたび起こる地震に、離れて住む親、そして家を心配した人は多いだろう。高齢者の住宅建築やリフォーム工事に携わる溝口さんが続ける。
「60代でリフォームしている戸建てもありますが、子どもが独立して夫婦2人で住むため、あるいはきれいにするというアプローチでの改修がほとんど。
シニアになってから起こる身体機能の変化には合わせていません。ちょっとした段差や滑りやすい廊下で転倒して、そのまま寝たきりになってしまうことが多いのです」
不便で老朽化している家を売り、駅の近くのマンションなどに引っ越すという選択肢もあるが……。
「不慣れな環境によるストレスや近所の人たちとの交友関係が途絶えたりすることも。