娘のためキャバレーでも歌う!麻丘めぐみ29年ぶり新曲のワケ
1年後、長女のひとみさん(40)が生まれる。ママになり、一層充実した“普通の生活”を満喫していた。
ただ一つだけ、理想と違うことがあった。多忙な夫とのすれ違いだ。
「夫は男のままで父親にはなれないタイプだったようです。まずは別居を提案しました。その過程で、彼のほうから離婚を切り出されて、受け入れたという形です。娘はまだ3歳。
まず最初に、この子をどうやって食べさせようかと思いました」
結論が出せないまま、1年近くが過ぎていった。そして、麻丘さんは決意した。27歳で、芸能界復帰を果たす。最初の仕事は、念願の役者として。名匠・木下惠介監督の映画『この子を残して』の看護師役という、幸先のいいスタートだった。
「現場に行くと、まず『ああ、左ききの麻丘さんね』となる。言ってしまえば、『元アイドルに何ができるの』みたいな雰囲気ですね。私もまだ30代で、すごい突っ張ってましたから『素の私を見てください』みたいな壁を自分から作っていたように思います」
地方のキャバレーなどで営業したのも、このころのこと。
「最初にキャバレーと聞いてエッと尻込みしいていると、社長が『そんなことを言っていたら、女一人で子供は育てられんぞ』と。