2020年2月7日 15:50
上皇陛下救った美智子さまの迅速対応…背景に豊富な医療知識
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上皇陛下がお倒れに――。衝撃的なニュースが日本中を驚かせたのは1月30日のことだった。
上皇陛下は29日の午後6時半ごろ、お住まいの皇居・吹上仙洞御所内で意識を失って倒れられたという。
「そばにいた美智子さまが上皇陛下のお体を支え、すぐさま非常ブザーを押されました。侍医らが駆けつけたとき、上皇陛下はいびきのような息づかいをされていて、診察が始まると間もなく意識が回復したそうです」(皇室担当記者)
幸いなことに、上皇陛下は30日の朝にはいつもどおり朝食もとられたという。同日午前には宮内庁病院で頭部MRI検査と専門医による診察があったが、原因となる所見はみられなかった。
突然、意識を失われた上皇陛下。なぜこのような症状が生じたのだろうか?パークサイド脳神経外科クリニックの近藤新院長に話を聞いた。
「おそらく一過性脳虚血発作と考えられます。脳には多くの血管が張りめぐらされていますが、動脈硬化などによって脳の血管の一部が細くなったり詰まったりすると、十分な酸素が脳に行きわたらなくなります。このような血液の供給不足、つまり虚血が起きると、その部分の脳に障害が生じ、意識障害や麻痺が引き起こされます。