2020年2月20日 11:00
映画『パラサイト』で描かれる“半地下家族”が抱える問題
ポン・ジュノ監督(写真:アフロ)
2月10日(日本時間)に行われた第92回アカデミー賞で、『パラサイト半地下の家族』(以下、『パラサイト』)が、作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠に輝いた。ポン・ジュノ監督(50)が成し遂げたこの偉業は、韓国映画101年の歴史上初であると同時に、非英語の作品としては初めての快挙だーー。
『パラサイト』は、“半地下住宅”で暮らす貧しい家族・キム一家4人を中心にしたストーリー。しがない内職で生活をつなぐ4人が、巧みに裕福な家庭・パク家に入り込み、家庭教師や運転手、家政婦につくことで、彼らに“寄生”していく様子が描かれている。
「いま、国内外で話題を呼んでいるのは“チャパグリ”という料理。劇中で、家政婦についた母・チュンスクがパク家に振る舞ったもので、実際に売られている『チャパゲッティ』『ノグリ』という2種類のインスタント麺を混ぜて作る手軽な料理です。同商品のメーカーである『農心(ノンシン)』もこの快挙にあやかり、“お祝いキャンペーン”を催しています」(韓国在住ジャーナリスト)
企業も国民も“祝賀ムード”に沸く韓国。しかし、この受賞を“手放しでは喜べないはず”と語るのは、ジャーナリストで『コリア・レポート』編集長の辺真一(ピョン・ジンイル)