くらし情報『大川小で妹を失い…震災と向き合うため映像の世界に飛び込んだ』

大川小で妹を失い…震災と向き合うため映像の世界に飛び込んだ

「《大川小が孤立している》ことはわかったんですが、みずほは教職員と学校にいるから大丈夫だと思って、帰ってきたときのために、パンも用意しておいたんです」

ところが翌日も妹は帰ってこず、そのみさんは、13日に母と大川小方面に向かった。

「《どうか助かってほしい》とすがる思いになった直後、みずほのお友達のお父さんに『みずほちゃん、上がったよ』と言われ……」

母は、女川町立女川第一中学校教諭(当時)で校舎内にとどまっていた父・敏郎さん(56)の元に駆け、悲報を告げた。そのみさんのお下がりの「ターコイズブルーのダウンジャケット」をまとったみずほさんの遺体に両親が対面したのは、14日の朝のことだった。

「ショックが度を越えた私はこの事実を受け入れられずに『みずほはどっかで無事なんだ』と、頭の中の別世界で生存しているような感覚でした。それでも合同葬儀、代わりに出席した卒業式などの行事に加え、多くの報道陣が詰めかけることで『妹の死』を事実と認識せざるをえなくなったんです」
母と祖母・ちよゑさん(81)が悲嘆の涙に暮れる日々が続いたが、そのみさんは「努めて平静を保つように心がけた」と話す。

大川小在籍時は、手製の漫画雑誌や『花鳥風月』という文集を出す“創作少女”だったそのみさん。

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