太田裕美、名プロデューサーが語る「作詞家・松本隆の時代」
これからも太田に書きたいと思っていただけるよう歌い続けていきたいです」
■若松宗雄(音楽プロデューサー)「文学性の高い世界観に娯楽が加わった」
「太田裕美さんに提供した詞を聴いたときから、彼のことはすごいなと思っていました。聖子にも書いてもらいたくて『アルバムでもいいので』とお願いしたのが始まりです」
振り返るのはかつてCBS・ソニーレコードで松田聖子(57)を発掘した名プロデューサー・若松宗雄氏。松本隆とタッグを組み、数々の名曲を世に送り出した。
「初めて出来上がった『白い貝のブローチ』を聖子が歌った瞬間、生理的な心地よさというか“快感”に近いものを感じ、やはり聖子の声質とぴたりと合う!と感嘆しました」
松本の詞については、「伝説的なバンド『はっぴいえんど』で実績を重ね、松田聖子で結実・成功した」と若松氏は続ける。
「松本さんは、音楽性・文学性の高いニューミュージック界の旗手。それがトップアイドルの詞を描くことで娯楽性も高まり、大きな成功を収めたのでしょう」
若松氏はあのユーミン(松任谷由実・66)、でさえリテークをお願いしたこともあったが、松本には皆無だった。
「方向性はすべて彼にまかせました。