2020年4月2日 15:50
87歳生活評論家「既婚者は離婚しないほうがいい」と訴える理由
(撮影:永田理恵)
生活評論家であり、働く女性の支援活動も行う樋口恵子さん(87)。長らく第一線で仕事を続けてきた樋口さんも、自身の寄る年波をひしひしと感じているのだとか。
「みなさんよく『ピンピンコロリといきたい』とおっしゃいますが、私のまわりを見ても、思いどおりの最期を迎えられる人はそうはいません。誰しも、あちこち痛めながら、ヨレヨレになって人生を終えています」
樋口さん自身も70歳を過ぎたころから、体のあちこちが思うように動かなくなり、「それまで当たり前にできていたことがそうではなくなるのだ」と自覚するようになった。
「80歳を過ぎ、さらにガクンときた感じがします。たとえば『朝起きる→おなかがすく→食事の支度をする→食べる』という一連の流れが当たり前だったのに、目覚めても食欲がわかなくなったのです。調理するのもおっくうになり、今思っても、あれは軽い“老後うつ”でした」
人間が生きるうえで持つ、「ごはんを食べたい」「外に出たい」というごく素朴な欲望が、年をとると、低下、枯渇すると樋口さん。
「5分歩くのも大変で、肉体的にも精神的にもヨタヨタヘロヘロ。
私はこれを“ヨタヘロ期”と名付けました。