くらし情報『再審無罪を勝ち取った西山美香さん家族「17年間の闘い」』

2020年4月3日 17:53

再審無罪を勝ち取った西山美香さん家族「17年間の闘い」

年老いた両親と40歳になった美香さんに、やっと訪れた春だった。

いったい、なぜ美香さんは、無実の罪で13年間も自由を奪われることになったのか。井戸弁護士は、こう説明する。

「03年5月22日未明。美香さん(当時23歳)が勤めていた湖東記念病院(滋賀県東近江町)に入院中の男性患者(当時72歳)が心肺停止の状態で発見されました。滋賀県警は当初、患者がつけていた人口呼吸器のチューブが外れてアラームが鳴ったのに、当直だった看護師が業務を怠って死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで捜査していたんです。その過程で、担当刑事は看護助手をしていた美香さんを任意で何度も呼び、『アラームは鳴っていたはずだ』と、取り調べで問い詰めました。美香さんは『鳴っていない』と答えていましたが、何度も訊かれるうちに『鳴っていた』と供述を変えてしまったんです」

捜査方針に沿う供述をしたとたん、優しくなった若い刑事に、美香さんは好意を寄せてしまう。


「再審請求する過程でわかったことですが、美香さんは軽度の知的障害と発達障害があり、人に迎合しやすい性質がありました。刑事の意に沿う供述をすると優しくしてもらえるので、美香さんはコロコロと供述を変えて、最後には『自分がチューブを抜いた』と、嘘の自白をしてしまったんです」

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