抗がん剤で白血球減少…患者たちが抱える新型コロナへの不安
重症化すると人工呼吸器が必須となる(写真:アフロ)
発症者の約20%が重症化するといわれている新型コロナウイルス。そんな重症化リスクに大きな影響を与えているのが高血圧などといった基礎疾患の有無だ。CDC(アメリカ疾病対策センター)が4月に発表したレポートで、集中治療室に入った重症患者のうちで糖尿病を併発していた率が高かったことが明らかになったのだ。
しかし、リスクを上昇させる“危険因子”はほかにもあった。不整脈の要因となる疾患もその一つ。さいとう内科・循環器クリニックの斎藤幹院長は、こう語る。
「一般論として、心臓の病気がある人はコロナ肺炎を起こせば症状が悪化しやすいと思います。肺と心臓は密接な関係にあります。
肺炎になると肺が酸素を取り込めなくなります。いつも以上に全身に酸素を送り込もうとするのですが、心臓がその負担に耐えられなくなるのです」
全国に約45万人といわれている抗がん剤で治療中の患者もリスクにさらされている。抗がん剤治療によって、免疫機能をつかさどる白血球が減少するためだ。相良病院の柏葉匡寛医師は、がん治療現場の実態を明かす。
「現在、患者さんにとって免疫抑制につながる治療は極力引き延ばすという状況がよく見られます。