2020年5月27日 15:50
安倍総理も「前広に検討」…9月入学を導入までの課題
コロナ騒動により長引く休校で、にわかに検討され始めた「9月入学」。休校による学習の遅れを取り戻すため、14日に行われた会見で安倍晋三首相も「9月入学も有力な選択肢の1つだろうと思いますが、前広に検討していきたい」と語った。そもそも、9月入学って何?どんなメリットや問題があるの?専門家に聞いてみた。
【Q1】心配されるデメリットは?
すでに9月入学を導入している一部の大学もあるが、「これは主に留学生を受け入れるためのもので、全国的に導入されれば、入学は9月入学に一本化される可能性が高い」
こう話すのは教育評論家の石田勝紀さんだ。心配なのは、現在の浪人生だろう。来年4月からの入学を目指して勉学に励む彼らは、もう余分に半年もの間、浪人生活を続けることになる。本人たちの精神的負担に加え、予備校の費用など、保護者の金銭的な負担も出てくる。
また、教育研究家の妹尾昌俊さんはこんな懸念も。
「来年の4月から就職して、収入を得る見込みだった、最終学年の生徒や学生は多くいる。しかし、来年の8月卒業になれば、就労が約半年遅れてしまいます。現在、新型コロナウイルスのために収入が減っている世帯は多いのに、就労が半年近く遅れると、一層困窮する家庭が出てしまう可能性があります」