藤井聡太七段「将棋教室の恩師が語った“天才”の少年時代」
「実は運動神経もよくて、性格も活発なタイプでした。毎春行っていた“お花見将棋”で、河原の広場でかけっこをしたときは、いちばん体も小さいのに、年上の子より弾丸みたいに速かったですね。将棋の授業後には、みんなと一緒にトランプもよくやっていました。教室の最後は毎回、私が作った坂本九さんの『明日があるさ』の替え歌をみんなで合唱するのが恒例で、必ずいちばん前列の真ん中にいて大きな声で一所懸命、歌っていたのも聡太くんでした」
実は“初恋”もここで芽生えていたようだーー。
「聡太くんが幼稚園の年長のときでした。そのころ、2つ年上のA子ちゃんという女の子がいたんです。A子ちゃんはいつも聡太くんのことを『そうちゃん、そうちゃん!』とかわいがっていたんですよ。そんなある日、教室でたまげたことが起きました。
最年少の聡太くんが、年上の小学生たちに向かって『A子ちゃんをいじめるなよなあ!』って真っ赤な顔で、端から順番にグーッとにらみつけて言ったんですよ。あまりに迫力満点だったので、みんな驚いて凍りついてました。いつもかわいがってくれた女の子なんで、正義感だったのか……。もしかしたら聡太くんの初恋だったのかもしれませんね」