’25年の年金改革でささやかれる「厚生年金・国民年金の“統合”」
「年金財政を延命させるため、6月に年金制度改正法が公布されたばかり。しかし、早くも’25年に予定されている次の年金改正に向け、厚生年金と国民年金の積立金統合案が持ち上がっています。会社員などの年金受給額が減額する可能性もあるため、大きな議論となるでしょう」(経済誌記者)
将来の年金給付の財源として積み立てられてきた「年金積立金」。サラリーマンや公務員などの給与所得者を対象にした厚生年金と、自営業者やパート従業員などを対象にした国民年金で、別々に計上されている。年金博士として知られる、社会保険労務士の北村庄吾さんはこう語る。
「集まった保険料のうち、年金の支払いにあてられなかったぶんを、将来に備える資金としたのが積立金の始まりです。現役世代が多く、景気も右肩あがりだったバブル期、年金受給者に支払う額を大きく超えた保険料が集まりました。その結果、圧倒的に加入者が多く、給与から自動的に保険料が差し引かれる厚生年金の積立金は膨れ上がってきたのです」
これまでほかの公的年金の財政が悪化するたび、財政に余裕のある厚生年金が救済役となってきた。
「’97年には、持続困難となった旧三公社(NTT、JT、JR)