2020年8月27日 15:50
介護手当に、介護休暇も…日本も見習いたい“ケアラー先進国”
現在、議論が進んでいる「ケアラー支援条例」では、どのようなサポートが行われるのだろうか。
今回の条例の有識者会議のメンバーでもある「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんが語る。彼女自身も、姑の在宅介護を7年間したあと、実母の遠距離介護を5年間した経験がある。
「支援策として、1人で抱え込んでいる介護者にとって駆け込み寺のようなところを設置して、介護者が『がんばらなくてもいい』と言ってもらえる空間をつくることが重要だと考えています」
海外では介護者に対する支援を法律で明記している国が少なくない。次にあげた3カ国は、とくにケアラー支援の先進国だ。
■日本が見習いたいケアラー先進国の取り組み(※IACO supported by Enbracing Carers TM、「家族介護者支援に関する諸外国の施策と社会全体で要介護者とその家族を支える方策に関する研究事業」より本誌作成)
【全人口】
イギリス:6,643万5,550人
ドイツ:8,291万4,191人
オーストラリア:2,499万2,860人
【65歳以上人口】
イギリス:1,216万5,557人
ドイツ:1,779万8,089人
オーストラリア:391万4,673人
【65歳以上の割合】
イギリス:18.3%
ドイツ:21.5%
オーストラリア:15.7%
【ケアラーの数】
イギリス:650万人
ドイツ:320万人
オーストラリア:265万人
【ケアラーの定義】
イギリス:無償で長期にわたって、身体・精神的な疾病・障害、また高齢にともなうケアの必要によって、家族や友人、その他の人を世話している人
ドイツ:介護保険で要介護者と認められた近親者を、通常は週に2日以上、かつ合計10時間以上介護している
オーストラリア:障害のある人、医学的状態、精神疾患、または加齢による身体の衰えのある人々に対し、身の回りのケア、手助けもしくは援助を提供する人々
【現金給付】
イギリス:日本円で週約9,000円(介護者1人当たり。