しずかちゃん演じた82歳声優の半生…1千万円使い込まれ裁判も
だから、スクールの採算は度外視なんです。授業料は、業界でもかなり安いと自負しています」
野村さんは、駆け出しのころの自分の姿に重ね合わせるかのように、彩り豊かな浴衣姿の若いレッスン生を見つめた──。
スポ根アニメが人気だった『ドラえもん』放送開始当時、ほのぼの系は苦戦を強いられた。目標の視聴率15%には遠く及ばず、初回視聴率は0.4%。上層部からは「大丈夫なのか」と心配する声もあったほどだ。
「でも、出演者はスタッフから『視聴率が20%を超えたら、海を渡った“ハ”の付くところに連れていく』って言われていたんです。ハワイ旅行を目標に、前向きでした」
和気あいあいとしたなかでも、収録は独特の緊張感が張り詰めた。
「ペコさん(ドラえもん役・大山のぶ代さん)は、汚ない言葉を使わないなど、セリフの一言、一言に妥協しなかったし、有名な俳優さんがゲスト出演するときも『あなた、ちゃんと台本を読んできているの?』と、座長としての厳しい一面もありました」
スタッフ一丸となり、番組開始1年後には20%を達成。
そんななか、夫の内海さんが「賢プロ」を立ち上げた。
「内海さんが社長でしたが、経営には無頓着なので、2カ月後には『みっちゃん、なんとかして』ということに。