加給年金と振替加算も貰える!もっとも損しない繰り下げ方
老後の生活を考えるうえで軸となる年金の受給額。妻のもらえる年金の額で損をしないためには、いくつかの“落とし穴”にご用心!「ねんきん定期便」には書かれていない注意点を早めに押さえておこうーー。
「夫がもうすぐ定年なのですが、受け取れる年金を確認したときに、思いのほか金額が少なかったので、老後の生活をどうしたらいいのか悩んでいます」
そう語るのは都内に住むA子さん(55)。すでに子どもたちは独立し、夫(58)と2人暮らしだ。毎年、誕生日に送られてくる「ねんきん定期便」で、年金額を改めて確認してみたところ、その金額に不安を覚える人は少なくない。
「ねんきん定期便は夫と妻へそれぞれに届くので、夫婦合わせていくら受け取れるのかを確認することが大切です。ただし、ねんきん定期便に書かれている『加入実績に応じた年間額(年額)』から、社会保険料、所得税、住民税などを支払うため、実際には1割ぐらい差し引いた金額が手取りの額になります。そこから生活費をシミュレーションしましょう」
そうアドバイスするのは、社会保険労務士でファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんだ。
A子さん夫婦の場合、夫は老齢厚生年金と老齢基礎年金を合わせて月額約16万5,000円、A子さんは結婚前に働いていたので、老齢基礎年金約6万5,000円に老齢厚生年金2万円がプラスされた額を毎月もらえる。