くらし情報『映画デビュー60年の岩下志麻「老いは怖くない、いつも自然体」』

2020年10月12日 11:00

映画デビュー60年の岩下志麻「老いは怖くない、いつも自然体」

そのせいで、両親に溺愛されて育ちました。

もともと父は、私をピアニストにしたかったみたいです。吉祥寺に行く前に、弱な私のためにと、空気のいい鵠沼海岸の近くに引っ越したんですが、その家にドイツ製のワイン色のピアノがあったのを覚えています。

中学のころには、精神科医を目指していました。近所に精神を病んだ方がいらして、私は、なんとかこういう人を治す職業に就きたいと思ったんです」

猛勉強で受験を突破し、進学校の都立武蔵高校へ。成績も学年で1番の努力家ぶりだった。しかしこの無理がたたって、病いに倒れてしまう。

「そこへ、父がNHK初の連続ドラマ出演の話をいただいてきたんです。
父にしたら、目標を失って虚脱状態だった娘を、なんとか元気づけようと思ったのでしょう。『私も、じゃあ、気分転換にやってみようかな』。そんな軽い気持ちでした。その後、成城大学文芸学部に入学した年に松竹から新人契約のお話をいただき、大学と同時に入社しました。とはいえ、主役をやりたいといった思いはみじんもなく、あくまでアルバイト感覚だったんです」
今年、映画製作100年という節目を迎えた松竹だが、岩下さんが19歳で契約を交わした60年当時、すでに映画界はテレビに押され斜陽といわれていた。

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