イラクへ飛んだ日本人看護師「壮絶な痛みの中亡くなる子供が…」
看護師・金澤絵里さん(43)は、アフリカや中東、東南アジアなどで医療支援に携わってきた。また、仕事の合間を縫って、東日本大震災など、災害が日本を襲うたび、ボランティアとして救護に全国を駆け巡っている。
そんな金澤さんは2018年、イラクに赴いていた。
「人が行きたがらない地域にこそ、助けを求めている人がいる。そう思って就職先を探していたら、イラクで小児がんの子どもたちに医療支援をしている日本イラク医療支援ネットワーク(JIM?NET)の現地駐在員の募集を見つけたんです。イラクでは、イラク戦争で米軍が使った劣化ウラン弾の影響からか、子どもたちに白血病が増えていると考えられました。日本も、自衛隊を派遣したんだから無関係じゃないと思って」
こうして4月から1年間、イラクのアルビルという町に駐在することになったのだ。
「私の仕事は、イラク人の現地スタッフを指導しつつ、小児がんの子どもたちへの医療支援や家庭訪問、ワークショップや支援病院での看護師指導、学校での啓蒙活動など、いくつかのプロジェクトを円滑に進めるプロジェクトマネージャー。
資金管理も重要な仕事でした。看護師の資格を持っていなくてもできる業務なんですが、人の“生命”は医療だけで守られるものじゃないと思うんです。