2020年11月30日 06:00
「私の役割は元気の照射」妻語る笠井アナの“全身がん”闘病
5日間連続投与を6回という過酷な治療で、その後も副作用は続き、眉毛まで抜け落ち、体重も3日で5kg急減するなどした。
「笠井さぁーん!」
そんななか、病状が比較的落ち着いている日の夜間の面会時間になると、病室にますみさんの元気な声が響いた。
「花柄の服を着て、わざとガラガラと大きな音をさせて戸を開け、声かけも『だいじょうぶ?』じゃなく、『だいじょうぶよね!』。医学的な治療に関しては、夫婦ともにお医者さまやスタッフを信頼していましたから、私の役目は彼の大変な入院生活を明るくかき回すといいますか、元気を照射して、免疫力を高めることだと」
しかし病状は一進一退で、息子たちが家族のグループラインで笑える動画などを父に送っても、既読にすらならない日もあった。そんなとき、ますみさんが自分と家族にかける言葉があった。
「必ず来週は元気になってるんだから」
突然、出てきた言葉ではない。
「働きながらの子育てで、呪文のように自分に言い聞かせてきた言葉でした。笠井にも、このことを話しました。
本当につらいときは返事も来ません。でも、わかって闘ってくれていると信じてました。だって、いちばんつらいのは彼なんですから」