コロナ第3波で際立つ高齢者の感染 60代の重症化率は25倍超
第2波のときは40歳以上の陽性者が全体の34%だったが、今回は57%にまで急増しているという。
さらに感染者数だけでなく、重症化率も問題となっている。
厚生労働省が11月28日に公表した資料によると、40代の重症化率は30代の4倍とのこと。さらに50代では10倍、60代だと25倍になるというのだ。
感染制御学を専門とする愛知県立大学の清水宣明教授は、寒くなってきた気候の影響を指摘する。
「高齢者の感染が多いのは、冬になったことによる気象要因が影響していると考えられます。まず気温が下がると、空気中に含まれる水分量が夏場より少なくなります。その空気を取り入れて暖房で暖めると室内の湿度が下がるので、水分が蒸発しやすくなります。
感染者の口からはウイルスを含んだ微細な粒子(エアロゾル)がたくさん出ますが、乾燥した室内ではすぐ水分が蒸発して小さくなっていく。そして空気中に長い時間漂い、その量も増えます。粒子が大きければ口から入っても喉で止まります。しかし小さくなると、より奥までダイレクトに入ってしまいます。そして肺に達して感染して肺炎を起こし、重症化する可能性も出てくるのです」
また60代の重症化率が30代の25倍というデータは、実は8月末までの統計が元になっている。