2020年12月17日 11:00
医療崩壊の旭川医師語る危機感「クラスターは必ず南下する」
准看護師資格を持つ自衛隊員が医療支援を(写真:防衛省統合幕僚監部提供/時事通信)
「旭川は人口33万人強の土地。そんな場所なのに、吉田病院と旭川厚生病院で同時期に国内最大規模のクラスターが発生するのは想定外でした」
市立旭川病院の院内感染対策チーム責任者である柿木康孝先生は、こう嘆く。北海道の感染拡大が止まらず、特に深刻なのが旭川市。12月9日には陸上自衛隊から派遣された看護官らが到着した。
「約1カ月で197人の感染が判明し、ほぼ半分のスタッフしか残っていなかった吉田病院に看護官ら5人が加わりました(11日時点)。
旭川厚生病院では269人(11日時点)が感染、通常の診療が不可能になり新規患者受け入れも原則休止に。さらに旭川赤十字病院では厚生病院から転院してきた妊婦の陽性が判明し、当面、分娩が中止へ。
同じ病棟にある耳鼻科、泌尿器科も新規入院患者を一時停止。
濃厚接触者の看護師、麻酔科医計14人は自宅待機のため、緊急度の低い手術は1週間以上、延期の事態となりました」(地元紙記者)
冒頭の柿木先生は、現在の厳しい状況下に危機感を募らせる。
「うちの病院では、不要不急の来院は控えてもらうよう呼びかけていますが、発熱外来もあるため、人員の配置が難しい状況です。